少年事件(傷害)
犯罪が初めてでない少年が,友達と一緒にリンチに参加してしまった!
罪名
傷害
解決結果
保護観察処分
詳細情報
友人達とともに被害者をリンチで怪我させたという事件です。
弁護活動
少年には前歴があり,事案としても悪質であったので,少年院送致が十分に予想される事件でした。しかし,付添人(少年事件での弁護人的立場の人)として少年と何度も面会し,事件のこと,被害者のこと,今後のこと,家族のことなどについて話をしました。少年は少しずつ反省を深めていきました。また,家族とも話をし,今後の指導監督について具体的な方法を模索しました。それらの活動と少年の意識の変化を家庭裁判所の審判官が最終的に理解をしてくれました。
成果
共犯者の友人の中にはこの事件で少年院送致になった者もいました。そのような中で,少年には保護観察処分が下されました。審判官が少年にチャンスをくれたということだと思います。
広汎性発達障害の少女が,叱責中の母親の首に包丁を刺してしまった!
罪名
殺人未遂(被疑者段階)→傷害(家裁送致段階)
解決結果
医療少年院送致
詳細情報
広汎性発達障害を有する19歳の少女が,万引きを母親から叱責されている最中に激昂し,母親の首筋に包丁を突き刺した事件です。幸いにして母親は命を取り留めましたが,刺さった箇所が少しでもずれていたら死亡していました。少女は殺意を否認していました。
弁護活動
少女の主治医と面会を重ね,犯行に及んだ時の心境に迫りました。少女の物事の考え方に特有の癖があることを検察官に伝えるとともに,逆送による刑事処分が再犯の抑止に繋がらないことを説明しました。また,事件当時,少女に精神疾患があることは母親しか知りませんでしたが,父・兄など他の同居親族にも少女の障害特性を理解する必要があることを伝えるなど,少女の環境調整活動に努めました。
成果
行為の危険性と殺意とが結びつかないことの理解が得られ,家庭裁判所には殺人未遂ではなく傷害で送致されました。主治医のもとでの社会内処遇こそ実現しませんでしたが,障害に配慮した医療少年院での処遇に繋げることができました。